犬の健康維持のため、散歩はとても大切です。
体力をつけて、足腰を丈夫にしておくことが健康寿命を伸ばすと考えられるからです。
そして散歩は犬の免疫力までアップさせてくれます。
免疫力アップは、体力アップ以上に健康にとって大切かもしれません。
なぜなら感染症やがんなど、免疫の低下を原因とする病気にかかりにくくしてくれるからです。
散歩で免疫力がアップする理由
犬を散歩させると、適度な運動効果が得られたり、副次的な効果が得られて、免疫力がアップします。
ここではその理由を5つ挙げてみます。
血行が良くなる
適度な運動は血の巡りを良くしてくれます。
これが免疫にとって嬉しいことです。
免疫細胞も活動のためにエネルギーが必要です。
いざ細菌やウイルスが侵入してきたときには、免疫細胞が増えたり、活発になるために、エネルギー消費量が増えます。
単純に食事をたくさん与えれば良いというわけではなく、適切な栄養や酸素が血液に運ばれ、体のすみずみまで届くことが大切です。
また運動を続けていると、血管に弾力が出てきます。
すると運動中だけでなく、普段からの血の巡りも良くなってくるでしょう。
低めだった体温が高めになってくると、ますます免疫は喜びます。
こうした体質改善の効果が、散歩によって得られるでしょう。
菌に出会って、免疫が鍛えられる
屋外には様々な菌やウイルスがいます。
実はこれらに触れることは、免疫の教育になり、免疫が鍛えられて強くなります。
余計に病気になりそうな気がするかもしれませんが、それは程度の問題です。
実際のところ、菌やウイルスに触れてもすぐに病気になることはありません。
免疫がしっかり働いている限り、そう簡単に感染症にかかることはないのです。
家の中にもいろいろな菌やウイルスがいるのですけれど、外にはまた違ったタイプの菌がいます。
散歩でいろいろな菌に出会っているうちに、犬の免疫は自然と鍛えられます。
免疫はどんどん賢くなって、免疫アップに繋がります。
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ストレスが発散される
免疫は意外とデリケートなところがあって、精神状態からもずいぶんと影響を受けてしまうことが知られています。
とくにストレスは免疫を低下させる精神的な要因です。
日々の散歩は、「ストレスを発散させ、ストレスの溜め込みを防いでいる」と考えられ、この点からも免疫に好ましいと言えます。
犬は言葉を話してくれないので、日々の暮らしの中でどんなことにストレスを感じているか?を知ることは簡単ではありません。
「ある犬はストレスに感じているけど、別の犬はそうでもない。」といったこともあるので、なおさらストレスの原因探しは困難です。
そういったことがあるために、「ストレスの原因を特定して取り除く」や、「ストレスをできるだけ回避する」といったことは、一見すると理にかなっているようで、実際のところあまり上手くいきません。
ストレスから逃げ回っていても、別の新たなストレスが発生してしまうだけだったり、もしかすると「ストレスを必死に見つけようとする飼い主さんの姿がストレス」になってしまうことも考えられます。
それよりも、ストレス発散になることを始めたほうが手っ取り早いですし、効果的です。
その1つが散歩というわけです。
散歩ぎらいな犬はまた話が別になってきますけれど、基本的に散歩はストレスを発散させ、免疫をアップさせると考えて良いです。
睡眠の質が良くなる
睡眠の質も免疫力を左右する要因として知られています。
質と言いましたが、睡眠の長さも大切で、睡眠時間の短さと免疫力低下に関連性があるとする報告があります。
散歩による適度な運動は、犬に疲労感を与え、良い睡眠をもたらしてくれるでしょう。
散歩で家の周りを見てまわるといったことも、睡眠中の警戒感を和らげるかもしれません。
なお夜遅くなってからの散歩は、運動からくる興奮で、睡眠の質を落とす可能性があります。
ほどほどが良いでしょう。
生活リズムが整う
生活リズムも免疫力に影響を与えます。
乱れた生活リズムは免疫を低下させ、整った生活リズムは免疫に対して好影響です。
決められた時間に散歩させることによって、生活リズムを整える効果が得られるでしょう。
できれば朝の散歩をおすすめします。
太陽の光には、体内時計のズレをリセットする効果があり、生活リズムが整います。
朝夕2回の散歩でも構いません。
運動しすぎは免疫に悪い?
肉体を鍛え上げると、逆に免疫力が低下してくるといった報告があります。
運動するほど免疫に良さそうな気がしますが、多すぎる運動量、強度の高い運動には、もしかすると心配があるということです。
もちろん人と犬では好ましい運動量が違うはずです。
毎日犬ぞりを引っ張るような場合はわかりませんが、通常の散歩で得られる運動量くらいでは問題ないでしょう。
「最近やけに体が引き締まってきたな」と感じるようなことがあれば、気をつければ良いと思います。
散歩が嫌いな犬はどうする?
散歩が嫌いな犬でも、シニアであまり動けない犬でも、朝日を見せてあげることは大切だと思います。
短時間であっても、朝は窓を開けて、カーテンをあけて、直接太陽が見えるようにしてあげましょう。
体内時計が正しくリセットされて、人との生活リズムが一致してくれば、免疫力に良い影響が得られると思います。
抱っこして、家の周りを歩くだけでも、メリットがあるでしょう。
意外と刺激になって、精神面から免疫に良い影響があると思います。
たまにはちょっと遠くまで。
飼い主さんと一緒に外の景色を見ることがだんだんと好きになってきたら、少しずつ歩かせてあげてください。
たとえわずかであっても免疫へのメリットが増えていきます。
ですが健康のためだと考えて、あせって無理をさせると逆にストレスから免疫力を落としかねませんので、少しずつが大切です。
飼い主だって免疫アップ
犬と一緒に散歩すれば、当然のこと飼い主さん自身にも、免疫アップ効果が得られます。
理由は、ワンコと同じ、上に書いたとおりですですけれど、人にはさらに美容という大きなメリットがあります。
犬の免疫を考えて朝の散歩に変えれば、早寝早起きの習慣がつくでしょう。
もしかすると気になっていた夜のスマホ利用時間が減るかもしれませんし、お酒の量も減るかもしれません。
どんなに自分に甘い性格でも、犬の健康のためだ!と考えると頑張れてしまうのは、「飼い主共通の習性」だったりしますよね。
散歩中は、背筋を伸ばして、歩幅を広くして、いっぱい酸素を取り込みましょう。
口角を上げて、笑顔で、気持ちよく散歩してください。
その顔を見ただけでも、ご愛犬は嬉しくなって、免疫力がアップしてしまうかもしれません。