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動物の健康コラム

抗生剤が効かない耐性菌の問題

耐性菌とは、抗生剤に対して抵抗力を持った菌のことです。

もうすでに何十年も前からこの世に現れて、世界的にも問題視されています。

とくに免疫力が弱くなった高齢者、そして高齢動物にとって耐性菌は頭の痛い問題です。

読んでいただけるとわかると思いますが、けして他人事ではありません。

自分事です。

 

耐性菌が生まれる理由

菌たちは抗生物質への対抗手段を獲得することがあります。

薬を分解する酵素を作り始めたり、薬を排泄するポンプ能力を強化することがあります。

菌だって生き残るために必死なのです。

そうやって抗生剤の海から這い上がるようにして、耐性菌は生まれてきます。

 

菌の耐性能力は、時間的な猶予があるほど獲得しやすいと考えられています。

抗生剤を続けることで弱い菌がいなくなり、残った強い菌ばかりが増えていくイメージです。

 

次のような使い方では耐性菌が生まれやすいと言えるでしょう。

  • 漫然とダラダラ長期間使う
  • 逆に、チョット使って止める
  • 少なめの量でチビチビ使う
  • 飲んだり飲まなかったり気まぐれで使う
  • 病気ではないのに予防的に使う

 

こうした使い方に、あまり疑問をいただく人は少ないかもしれません。

ちょっとくらいは仕方ないと思った方もいらっしゃるはずです。

飲み忘れは仕方ない、季節の変わり目は仕方ない、飲んでると調子が良いので止められない、などなど。

自分だけの「ちょっと」が他にも10万頭、100万頭いるかもしれません。

 

さらに落胆してしまうかもしれませんが、どんなに適切に抗生剤を使っていても、耐性菌をゼロにはできません。

つまり誰かが抗生剤を使えば、どこかで耐性菌が生まれるのです。

 

ここまでの説明では、「耐性菌は体の中でだんだんと増えてくるもの」とイメージしていると思います。

でも実際には違います。

抗生剤を使ったことがないのに、いきなり耐性菌に感染することがあるのです。

つまり他人(他の動物)の中で生まれた耐性菌に感染したのです。

 

もうすでに耐性菌は地球規模で広がっています。

いままでに使ってきた大量の抗生物質によって、耐性菌が人工的に生み出され、自然の中に紛れ込んでいるのです。

「初めて使うのに、どうして効かないのだろう?」「いつもは効いているのに、今回はいまいちだ」

みなさんが心配したり、不安になったり、することはけしてレアケースではありません。

 

以前は効いていた抗生剤が、効かなくなってきている。

世界的な問題にもなっていて、医療関係者なら誰でも知っている当然のことで、だからこそ気をつけていることです。

これからは飼い主も気をつけなくてはいけません。

ひとりの安易な使用が、本当に必要としている犬猫を苦しめることに繋がっていくからです。

 

多剤耐性菌の問題

多剤(たざい)耐性菌とは、複数の抗生剤に対して抵抗性を示す菌のことです。

非常にやっかいな存在で、その封じ込めに医療現場は神経を尖らせています。

 

通常の耐性菌ならば、別の抗生剤で治療できます。

しかし次の抗生剤も、その次の抗生剤も効かないといった菌が存在しているのです。

特効薬がないわけですから、病院や高齢者施設が恐れるのも当然です。

 

以前は、多剤耐性菌に対抗する抗生物質がありました。

バンコマイシンは、耐性菌の存在しない「切り札」として最終兵器的な抗生剤だったのですが、もう過去のお話です。

しばらく重宝されたのち、やがてバンコマイシン耐性菌が見つかります。

かなり慎重に使用されていたはずですが、それでも耐性菌は発現してしまいました。

 

感染症との闘いは、「菌と薬の闘い」と言い換えられます。

しかしながら「いたちごっこ」と言ったほうが的を得ています。

耐性菌が現れるたびに新しい抗生物質が開発され、また耐性菌が現れ・・・

 

私が勤めていた薬局の棚には何種類もの抗生剤を並べていました。

複数の武器があると誇ることもできますが、「諸刃の剣の歴史」と見たとき何万錠も調剤してきた者の気持ちは複雑です。

 

本質的な対策

なによりも抗生剤を気軽に使わないことです。

適切に使ったとしても耐性菌をゼロにはできませんが、問題の拡大を食い止めると考えれば何とかなります。

 

そのためには、抗生剤のお世話にならないような「体づくり」が根本的な対抗策になります。

もう少し言えば、体の抵抗力、免疫力を鍛えておくことです。

時間がかかりそうで、少し馬鹿らしく思う人もいるかもしれません。

しかし「感染対策のメインは免疫力であり、抗生剤はあくまで補助にすぎない」が本質を捉えた考え方です。

抗生剤に頼ってきた歴史から学ばなくてはなりません。

 

そのうえ抗生剤に頼りすぎると体が鍛えられません。

もしあなたのご愛犬(ご愛猫)が高齢で、多剤耐性菌に感染してしまったらどうしますか。

そのときに「やっぱり免疫力は大切だ」と気づいても、無意味とは言いませんが限界があります。

 

薬剤師の目からすると、動物には抗生剤を使いすぎのように見えます。

誤解を恐れずに言えば、使い方が「雑」です。

 

いまは個々を大切にしよう、まず自分の身を守ろうという時代なのかもしれません。

しかしながら耐性菌は、自分やペットだけの問題ではなく、社会全体としてとらえるべき問題です。

他人事と考える人が多くいる限りは、私たちを悩ませ続けるでしょう。

 

本当に抗生剤を必要としている犬猫を守るために、まずは私たちから意識を高めましょう。

犬猫の治療で生み出された耐性菌が、人に感染している可能性を考えてみてください。

批判の矛先が動物医療に向けられる前に、一人ひとりの飼い主が意識を高めていかなくてはいけないと私は感じます。

場合によっては、あなたが獣医師に教えてあげてください。

 

もっと視野を広げてみましょう。

人類は地球を征服したわけですが、いつからか自分たちが自然の一部だということを忘れはじめています。

腸の中や、口腔内、皮膚の上に目を向ければ、そこには大量の菌(常在菌)が住み着いています。

ペットの体毛の中、耳の中でも菌がうまいことバランスを保って暮らしています。

それが当たり前であり、私たちの体は菌と共存することを前提に作られているのです。

自然との共存を可能にしているのが免疫システムです。

調和が乱れ、どうしても整えなくてはならないときが抗生物質の力を借りるタイミングです。

 

だれも抗生剤を乱用しようとして使う人などいないはずですが、本質的な部分を頭に入れておきましょう。

意識の高い飼い主が増え、安易な使用が減ること私は願っています。

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