物事には、大きな波と、小さな波があります。
これを知らないと、心配事の多い人生を歩んでしまうかもしれません。
たいていは大きな波が本流です。
小さな波が逆流しているからといって、その方向に舵を切ってしまうと右往左往しがちです。
たとえば愛犬(愛猫)のフードを選ぶとき、タンパク質22%にするか24%にするか、細かい部分に全力で悩んでしまう方がいらっしゃいます。
ちなみにタンパク質はだいたい15~30%くらいで良く、多少の誤差で将来の健康を左右しないだろうというのが私の考えです。
もし15%のフードで、もうちょっとタンパク質を増やしたほうが良いかな?と思うことがあれば、肉や魚を加えればよく、私だったら納豆や高野豆腐を加えてみるでしょう。
量は様子を見ながら適当に。
ペットを飼っていれば、ちょっとした心配や悩みはつきものです。
小さな波は日々、何度も訪れます。
油断してくださいということではありませんが、そのときだけの出来事だったというほうが遥かに多いでしょう。
細かく考えれば考えるほど、新たな心配事はどんどん増えてくるはずです。
だれもが幸せを倍増させるためにペットと暮らすことを選択するのですから、不安を増やして楽しめなくなってしまっては本末転倒ですよね。
心のレンズを顕微鏡だけでなく、海原を見渡す望遠鏡にもぜひ使ってください。
極端かもしれませんが、もしペットの体調が悪くても、古傷があっても、飼い主の愛情が半減するようなことはないはずです。
きっとこれが大きな波です。
サーフィンを例に考えてみる
安直ですけれど、波といえばサーフィンでしょうか。
私はサーフィンをしたことがありませんが、わかりやすい例えとして取り上げてみます。
あなたがプロサーファーで、大会に出場するとします。
大会で優勝するためには、大きな波に乗らなくてはなりません。
1時間に100回来るような小さな波に対して、一回来るかどうかの大波。
その重要度は比べようもありません。
もし一つ一つの波にいちいち全力を投じていたらどんなことになるか。
おそらく集中力は分散し、最高の状態で大波に乗ることは難しくなるはずです。
もしくはタイミングを完全に逃すでしょう。
つねに大きな波をベースに状況判断していくべきです。
人生、ワン生、ニャン生で考えてみる
大きな波とは
人も犬も猫も、人生における最も大きい波はなんでしょう?
たぶんこれは共通で、「幸せの波」かなと思います。
ぜったいに乗りたい波ですし、うまく乗れていたら簡単に降りてはいけません。
ですが、この波に乗るためには、まず何が大きな波であるかを認識しておかなくてはなりません。
そうでなければ小さなことを大きな波だと勘違いしてしまうからです。
大きな波を基準にして、中くらいの波、小さな波を見るようにしましょう。
すると、「こんなことで悩んでいるなんて馬鹿らしい」と思えることが増えるかもしれません。
許容力、包容力が大きくなり、懐が深くなってきます。
中くらいの波
ここでは中くらいの波を「健康」としてみます。
健康の大切さは言うまでもありませんが、健康イコール幸せではありません。
ときどき、これが逆転してしまっている方がいらっしゃいます。
病気を持っていても、怪我をした人でも、幸せな人はいっぱいいます。
こうした視点からは、健康は幸せを構成する一部だと考えることができるでしょう。
健康を追求するあまり、厳しい制限を課す人がいますが、それが楽しければ別に問題はありません。
中波にも大波にも乗れているからです。
ただもし制限が強いストレスになっていたり、ゆるく楽しんでいる人を見ると攻撃したくなるようであれば、考え直さなくてはいけません。
人は健康になるために生まれてきたのではないのですから。
もちろん健康は幸せの重要パーツです。
その場の快楽のために、あまりにも健康を害することをしたり、病気に手を打たないことは正しい判断ではないでしょう。
小さな波
私はたこ焼きが大好きです。
いただき物のたこ焼き器で、スタッフと食べるのが楽しみで、幸せな気分になります。
ところで、たこ焼きって健康に良いのでしょうか?
アイスクリームはどうでしょう。
ジャーキー、骨ガムはどうでしょうか。
こういったものを食べるかどうかは、健康に良い悪いでチョイスしているわけではありませんよね。
もっと大切なこと、食べると幸せになる、犬猫たちが喜ぶで判断していると思います。
細かい視点で考えてしまうと、炭水化物が多すぎないか、オメガ6系のオイルが多くないか・・・美味しく食べられません。
そもそも、こういった細かいことにこだわりすぎないほうが、きっと楽しい人生を送れるでしょう。
考えるのであれば大きな視点からも見ていきましょう。
そうすれば小さな波で心を大きく揺さぶられることは少なくなります。
小さな視点が不要という話ではありません。
どちらが大事かではなく、どちらの視点からも考えられる頭。
面倒に思うかもしれませんが、しばらくすれば慣れます。
そしてあなたの飼い主力を必ずアップさせます。
私たちは視点が小さくなりやすい
私たち日本人は幼少の頃から、このように教わってきたと思います。
- 塵も積もれば山となる
- コツコツ努力すれば報われる
- 努力していればそのうち何か良いことがある
たしかにその通りだと思います。
頑張っていればきっと何かが起こるはずです。
しかし、その何かが、一体全体何であるのか?
自分がどこに向かっているのかわからないのです。
そして、いずれ何か良いことが起こるという考え方は、「運頼み」、「奇跡は降ってくる」、「他力本願」のような思考に繋がりやすいとも言えます。
自分でしっかりと大波を設定し、中波が何であるのかを考える。
目標を決めたら道筋を考えてコツコツと進んでいくのです。
小さな波でコロコロ向きが変わることがなくなり、「奇跡は掴むもの」、「健康は自分で手に入れるもの」という能動的な考えに至ります。
小波に立ち向かう船長のような飼い主を、きっとご愛犬ご愛猫は誇らしく思うことでしょう。