仕事がら私は、犬猫たちの健康を考える時間が長いため、どうしても幸せの本質に考えがおよびます。
幸せは目に見えないですし、なんとなく漠然と考えてしまいがちです。
ですが自分自身の幸せがわからないまま、ペットの幸せを考えるのは難しいことです。
そんなとき、幸せには2種類あることを知っておくと良いかもしれません。
条件付きの幸せ
「こうなったら幸せになれる」が、条件付きの幸せです。
- 欲しいものが手に入れば
- 好きな人と一緒になれたら
- もっと旅行ができたら
- 嫌な上司がいなくなってくれたら
- 良い大学に入学できれば
「たら・れば」がつくのが特徴です。
何かを入手するだけでなく、「今の不安から抜け出せれば」というのも条件付きの幸せです。
- 病気が治れば
- 花粉の季節が終われば
- 寒い冬が終われば
こうした条件付きの幸せは、欲を満たすことに近いかもしれません。
まだ欲を満たせていない(不安を解消できていない)現在に対して、どうしても幸せを感じにくくなってしまう傾向があります。
さらにもし条件を満たしたとしても、たいていの場合、すぐまた次の条件が現れるものです。
そのために幸せが持続しにくく、いつも枯渇した状態になりがちです。
だからといって条件付きの幸せが悪いわけではありません。
「明日はもっと良い日になる、一年後はもっと良くなる。」
こういった考え方が、自己成長のためのエネルギーやモチベーションになりやすく、うまく取り入れていくべきでしょう。
大切なのはバランスです。
次の「無条件の幸せ」がベースになっていれば良いのです。
無条件の幸せ
少し考えてみると私たちは、たくさんの幸せに包まれていることに気づきます。
- 蛇口から水が出る
- 布団で眠れる
- 春になると桜が咲く
- 朝起きたらいつもどおり飼い犬がいて、ご飯を食べて、うんちをした
- 猫が日向ぼっこしてる
私たちは当たり前のことや、いつも通りのことに、いちいち幸せを感じなくなっています。
無条件の幸せを手に入れるためには、まずは考え方や、日頃の習慣を変えなくてはなりません。
どうすれば良いのか。
それは昔から言われているように、何事にも感謝することです。
夏の暑さにも、冬の寒さにも良いところがいっぱいあります。
ジトジトした梅雨も、おかげで美味しいお米が食べられると思えば感謝です。
良い部分を見つけられない人は、夏が暑くても冷夏であっても、大雪でも暖冬でも、どっちにしろ不満を抱きがちです。
たぶんですが、四季がなくなって温暖な気候になっても、満足することはできないでしょう。
挙げればきりがないほど、世の中は感謝の対象で満ち溢れています。
- ポンコツでも、遠くまで連れて行ってくれる車
- 邪魔だけど、世界をくっきり見せてくれるメガネ
- 厳しいけれど、自分を育ててくれた親、その親を育ててくれた祖父祖母
- 私たちの命をつなぐ、魚、家畜、穀物
- 水、空気、山、川、海、家、お風呂、トイレ
- 犬、猫、獣医師
無条件の幸せを手に入れるためには、あなたが幸せに包まれていることに気が付けば良いのです。
犬や猫に対して、ありがとう!と言えるかどうかです。
言葉が伝わるかどうかではなく、言うことがあなたの幸福度を高め、それがご愛犬ご愛猫に伝わっていくイメージです。
そういった方々とお話するとき、「この方は飼い主力が高いな」と感じます。
ペットは無条件幸福
ペットは人と違って、いつまでも純粋無垢です。
情報やニュースに関心がなく、振り回されることがありません。
- サッカーでどのチームが優勝したのか
- アメリカ大統領の発言
- 地球が丸いこと
何も知りません。
年金の不安もありませんし
平均寿命はおろか、自分の年齢も知りません。
まだ起こってもいない未来の不安で、今の幸せを半減させるようなことがありません。
- あの犬のほうが贅沢な食事をしている
- あの服のほうがかわいい
- 隣の旦那さんのほうがハンサム
こうした「隣の芝生は青く見える」といった比較もしません。
幸せを相対的に考えず、自分で感じたことに重きをおいています。
ペットが体調を崩したとき、悲しくて泣いてばかりいる飼い主様がいらっしゃいます。
いつか必ずきてしまうお別れのときのイメージで、一日一日を心から楽しめない飼い主様がいらっしゃいます。
他の犬猫をうらやましく感じてしまうかもしれません。
そういったとき、ご愛犬ご愛猫から学ぶことは多いでしょう。
人はどうしても将来や過去にとらわれてしまいますが、犬猫たちはまったく違います。
明日のスケジュールも立てませんし、日記帳も書きません。
まさに今、この瞬間を楽しもうと生きています。
彼らは目の前に飼い主がいるだけで、たったそれだけでも幸せを感じることができるのです。
語弊があるかもしれませんが、長生きは幸せの一部の要素であり、全てではありません。
同じ長さであっても、幸せに満ちた日々が長く続くのと、不安な日々が長く続くのは、まったく違います。
考えるまでもなく前者が良いわけですが、自分の考え方次第でどちらにでも持っていけます。
私たちはペットたちから「無条件幸福」を学ぶことができます。
なので飼い主は恵まれていますし、ハッピーです。
ギュッと抱いて伝えましょう。
ありがとう!