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動物の健康コラム

GPT(血液検査値)とは何か?どうして高くなるのか?

犬猫たちの血液検査値でGTPという項目があります。

GPTは肝臓の調子を推測する上で重要な検査項目ですが、そもそもGPTとは何のことなのでしょう。

どうして高くなってしまうのでしょう。

少しわかりやすく解説してみようと思います。

GPTとは何か?

GPTは簡単に言ってしまえば『酵素』です。

体の中でアミノ酸を代謝するときに活躍する酵素です。

※アミノ酸はたんぱく質のもとになります。

 

なおGPTの別名はALTです。

同じ酵素を指しています。

 

私が薬剤師になりたてのころは、たしかGPTと言っていましたけれど

だんだんALTとも呼ばれるようになってきました。

統一されていなくて、少々面倒ですね。

 

動物病院でもGPTだったり、ALTだったりしますので

混乱してる方もいらっしゃるかもしれません。

 

ちなみにGPTは英語の頭文字です。

・Glutamic(グルタミン酸)
・Pyruvic(ピルビン酸)
・Transaminase(転移酵素)

 

ALTも英語の頭文字です。

・Alanine(アラニン アミノ基)
・transaminase(転移酵素)

 

こう書いてみると、ぜんぜん違う別の酵素みたいですね。

でも同じ酵素のことです。

 

そもそも「酵素」とは?

酵素はある物質を、別の物質に組み替える(代謝する)ときに活躍します。

けっこう大きな分子で、構造からみると、酵素はタンパク質の一種です。

 

もし化学工場で同じことをすると、熱や電気といったエネルギーが必要で

体の中でそんなことをしたら、体温が100度にもなってしまうかも!

 

でも人や動物には酵素があるおかげで、微々たるエネルギーで、かつスムーズに代謝が進みます。

 

体の中には数千種類の酵素があると言われていますが、GPT(ALP)もそのうちの一種です。

他の酵素としては

・食べ物を分解する酵素
・DNAを切ったりくっつけたりする酵素
・毒を分解する酵素

などなど、いろいろあります。

 

なぜGPTが高くなる?

 

GPTが高くなると「GPTが増加してる!」と考えてしまうところですが、本当は少し違います。

GPTは増えてはいません。

体内のGPTの量は変わらないのですが、血液中に混じるGPTが増えているという意味です。

 

どういうことかと言いますと、GPTは主に肝臓の中で働く酵素です。

それが肝臓から漏れ出して、血液に混じるのです。

 

ただ、少しくらいならば血液中にも含まれていても良く、量がわずかであれば『正常値』です。

 

そのGPTがたくさん血液中に含まれている場合は、肝臓の「キズ」から漏れ出しているというイメージです。

疑われるのは、肝障害です。

 

肝炎などで肝臓がダメージを受けていると、肝臓から出ていく血液にGPTが流れ出るようになるわけです。

そんなときに血液検査を受けると、たいてい『異常値』になります。

GPTの異常な数値は200とか、500とか、場合によっては1500オーバーになることもあります。

 

ですので、なぜGPTが高くなるか?に対する回答は

「肝臓から血液に漏れ出すGPTが増加しているから」になります。

 

GPTは毒?

GPT自体は、別に体に悪いものではありません。

毒ではありません。

検査でGPTが高くても元気な子は多いのですけれど、それはGPTが無害だからとも言えます。

 

ちなみに別の肝臓の検査値で、ビリルビンやアンモニアがあります。

これらは毒です。

※ビリルビンはタイプによります。

 

とくにアンモニアはけっこうな毒です。

上昇してくると、たいてい体調が悪くなってきます。

 

アンモニアが高いままでいると、脳がダメージを受け始めます。

これが肝性脳症で、けっこう危ない状態です。

 

かたやGPTはそんな悪さをしません。

 

 

GPTが高くても元気でいるケースは多い

「GPTが高いってことは、肝臓が悪いのでしょ?」

「肝臓が悪くても元気でいられるの?」

と思われるかもしれませんね。

 

そこが肝臓のすごいところです。

でも、それが怖い部分とも言えますし、注意するべき点です。

 

肝臓のあだ名は『沈黙の臓器』

ちょっとくらい辛くても、踏ん張ってしまって

そのタフさゆえに、肝臓の不調はよく見逃されてしまうのです。

 

実際、GPTが高くても元気な子はたくさんいます。

だからといって放置していると、将来が怖いかもしれません。

(もちろん大丈夫なこともあります)

 

肝臓の小さなSOSを見逃しているといずれビリルビンやアンモニアが上昇してくるかもしれません。

そうなってくると少しピンチです。

 

体調が悪くなってきたり、黄疸(おうだん)で体が黄色くなってきて

だれもが「これは普通じゃないぞ」と気づきますが

そこから考え始めても、治療は相当に難しくなっています。

 

どんな治療でもそうですが、後手後手な感じでは長引きます。

先手を打つほうが、結局は早く済みます。

 

先手は必ずしも薬物治療だけではありません。

うまくいけば、自宅での取り組みだけで予防できる可能性があります。

予防が最高だと思っていますし、私たちが一番ちからになりたいと思っている部分です。

 

GPTのチェックは、無口な肝臓への気遣いです。

健康を支え続けてくれている肝臓への思いやりですね。

 

ということで、体調の良し悪しだけで肝臓の元気さを判断しないことがポイントです。

 

GPTは薬で下がるの?

私の個人的意見を言いますと、薬はあまり効きません。

GPTを下げる薬といえば、ウルソデオキシコール酸ですけれど、お世辞にも良く効く薬とは言えません。

 

何ヶ月も飲んでいて、まったく改善していない。

でも先生には服用をやめることは出来ないと言われている。

 

よく聞く話なのですけれど、どうなのでしょう。
今、人の医療では、できるだけムダな薬は減らすべきだと言われています。

 

とは言いましても、ウルソはかなり安全で安価な薬です。

まず薬害が出るような心配はありませんので、続けていても不安にはならないでくださいね。

 

それよりも食事の工夫のほうがよっぽど効果があるというのが

薬剤師をやってきた私の実感です。

 

油を抜けば治るとか、タンパク質を増やせば治るとかそう単純な話ではないのですけれど

いまの食事でGPTが高くなってきているのが確かだと思うのであれば、少しずつでも変えていったほうが良いでしょう。

 

一歩踏み出すことで、道はひらけてくるものですよね。

なによりもペットたちは飼い主さんに主導してもらいたいと望んでいます。

 

GPTが高くなる原因を考えてみましょう

GPTが上昇する原因は、たいてい肝炎などの病気です。

ただ、「原因は病気である」で止まってしまうと、薬物治療ばかりに頼ることになっていまいます。

 

「肝炎が起きた理由はなんだろう?」

そこまで考えていくべきだと思います。

 

するといろいろな推測ができるようになってきますし、逆にそこまで考えないと、工夫・対策に繋がってきません。

『自宅では何もすることがない』となってしまいます。

 

たとえば、もう少しつっこんだ理由として

・服用薬で副作用が出ているかもしれません。
・間食が多いのかもしれません。
・良くない油が多いかも。
・油抜きで、良い油まで抜いているかも。
・水をあまり飲まないかも。
・塩分やミネラルが不足してそう。
・腸内環境が悪くて、ウンチが臭い。

などなど

 

GPTが高くなった根底には直接的な理由ばかりではなく、何かしら間接的な理由もあるはずです。

たとえウイルスが原因の肝炎であっても、もっと深い原因は『免疫力低下』にあると考えていくことができます。

すると、免疫を高める工夫に繋がり、自宅でも出来ることがたくさんあると気づきます。

 

もちろん犬猫によって、原因はみんな違うはずで

だからこそ、「こうすれば治る!」といった画一的な対策が存在しません。

 

しかも、やっかいなことに、たいていは原因が1つではありません。

「複数の事柄が絡み合って、GPT異常として現れてきている」

そう考えるのが、きっと正解です。

 

本当にやっかいだな・・・

そう感じる方もいるでしょう。

 

ただ、うまくハマったときのうれしさは格別です。

自分の手で、愛犬愛猫が元気になるなんて素晴らしいこと。

 

すぐに出来なくても、大丈夫です。

普段から少しでも考えるようにしていれば、飼い主としてのレベルが自然と上がっていくでしょう。

 

でも、もし「どうにも難しい」というときは、どうぞ気軽に相談してください。

みなさんや、ペットたちが元気でいてくれることが私のエネルギー源ですし、やる気スイッチですし

単純に嬉しいことだったりします。

 

やはり食事は大切です。

そのうえ、ペットにとっての食事は、我々以上に大きな喜びです。

ですので、健康と美味しさをできるだけ両立させることがポイントだと思っています。

 

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