免疫力を大切に考えるべき理由
免疫力とは、動物の体を外敵(ウイルスや細菌)や、内側の敵(がん細胞)から守り、健康を維持する重要な仕組みです。
免疫力の低下は、さまざまな病気の引き金になります。
免疫の弱い犬猫たちが増えている
免疫力の強さは、加齢によって低下することが知られています。
動物医療の発達によってペットの寿命が伸びてきましたが、免疫力の低下は一般的な医療で止めることはできません。
いま10歳を超える犬猫たちはまったく珍しくありませんが、それは免疫力の弱いシニア世代が増えてきているとも言えるのです。
加齢以外に、免疫力を低下させる要因
免疫力の強さは、複数の要因によって上下することがわかっています。
たとえばステロイド剤や免疫抑制剤、抗がん剤などの服薬は、免疫力を低下させる代表的な要因です。
食品添加物、油のバランスの良し悪し、腸内の善玉菌と悪玉菌の比率など、食生活も免疫力に影響を与えると考える専門家もいます。
さらに睡眠の質、運動量、ストレスの大きさ、体内時計の狂い(生活リズム)、興奮とリラックス(自律神経のバランス)などが免疫力に影響を与えます。
そのため免疫力低下の対策も、一つではなく複数考えてあげることが大切です。
結果として難しい病気が増えている
獣医学の進歩により、多くの病気に対処できるようになり、多くの犬猫たちが救われています。
ただその結果として、免疫に関わる難しい病気の治療が取り残されることになっています。
ガンは、その代表的な病気だと言え、近年増加傾向にあるのはそのためだと言えます。
また積極的な治療による副作用や、治療検査による身体的・精神的負担が、ペットの免疫力に悪影響を及ぼしてしまい、逆に健康度を悪化させるケースがあると考える獣医師たちもいます。
実はがんは予防できる病気
がんは基本的には遺伝したり感染するような病気ではありません。
先天的な要因も無いわけではありませんが、多くは後天的な要因が重なって発がんの可能性を高めています。
そういったことから、がんは生活習慣病と捉えることができ、飼い主様の工夫や取り組みによって予防できる可能性があります。
もちろん100%ということはありません。
ただ1%でも5%でも、良いことを組み合わせていって、確率を高めることができると考えられます。
治療中こそ免疫力を考えるべき
がんは予防可能の生活習慣病と考えることができますが、治療中であってもその考えを応用することは可能です。
複数の要因が重なって免疫力が低下し、結果として発がんしているために、その対策についても当然ながら複数用意することが合理的だと言えます。
治療だけに頼るよりも、できることを始めていくことが治療の経過を左右していくと考えることができるでしょう。
治療によって受けるダメージ・ストレスを癒すことや、副作用による免疫低下の対策を先に考えておくことも、予後を良くするために大切になってきます。
続けやすい対策を
免疫力の健やかさは、本来はペットの生涯に渡って考えていくべきことです。
ですので短期間だけの対策よりも、生活習慣の見直しを含めた、継続可能な取り組みのほうが、きっと犬猫たちを健康に導いてくれるでしょう。
たとえ小さな取り組みだとしても、一本槍ではなく五本槍くらいにしていただいたほうが、複数による相乗効果を狙えるため、健康をつかみ取りやすいでしょう。
できるだけ手間がかからず、犬猫たちにストレスをかけない方法が良く、たとえば味が良かったり、喜んでくれるような方法であればなおさら良いと言えます。