私の会社には犬がいます。
いまの犬の名は「ハッピー」、11歳くらいで会社に来たシェルティです。
先代犬は、たぶんヨーキーの血が入ったミックス犬で、名前は「めんま」
7歳くらいで来ました。
めんまはすごく陽気で、体重2kgくらいのくせに私の腰のあたりまでジャンプしてきます。
でも、その身体能力の高さをあなどり、私の気の緩みから健康なまま他界させてしまいました。
私にははっきりと天国のイメージがあります。
テレビやどこかで見たドッグランがモチーフになっていると思われる、広い草原と青い空がどこまでも続く空間です。
めんまは、「よく飽きないな?」と思うくらい、毎日毎日気心の知れた仲間たちと、追いかけたり、追いかけられたり。
とにかく楽しさいっぱいで暮らしてます。
信じるかどうかは、私次第。
私の心の中に存在する場所なので、見せてあげることは出来ないのですけれど、雰囲気をシェアいたしますね。
犬猫の天国のイメージ
天国は、幸せに満ち溢れた場所ですけれど、それは何かを手にしたり、人と比べて実感するようなものではありません。
呼吸する空気のように、当たり前に幸せです。
ただ基本的に刺激の少ない場所で、新しい発見にドキドキしたり、ワクワクするような新製品の発表もありません。
あとは時間に追われる現世とは違い、1年も、1万年も価値は一緒です。
そんな場所で犬は朝から晩まで駆けっこ。
足が悪かった子も、ヘルニアだった子も、みんな元気いっぱい。
あっちでぐるぐる、こっちでぐるぐる。
いつか読んだ童話みたいにバターになりそう。(若い方は気にせず)
「犬って、ほんと子供っぽいわね」
草原に立つ木の上から、猫たちが細い目で見下ろしています。
日向と日陰が入り交じる最高のまどろみスポットで、自分が起きてるのか寝てるのかよく分からない。
でもたまに夢で思い出すネズミのおもちゃにバッと飛びつき、一日一度は枝から落ちそうになります。
ちなみに無自覚に襲ってくるこの「謎の衝動」について、まだ解き明かした猫はいません。
「みんな、そろそろ休憩しよう」
体力はまだまだ100万年分くらい残っているけれど、休憩も日課。
猫のいる木の日陰に集まって、休憩ついでのお話タイムの始まります。
先述の通り、天国には新しいことがほとんどありませんので、お話のテーマは生きていた頃の思い出話。
というより、ほとんど自慢話大会。
子供ですから、そうなります。
そして時間の制約がない天国では、何歳まで生きていたか?よりも、何をどれだけ経験してきたか?で気を引くのが基本テクニック。
とくに「食事」に関わる話には、もれなく全員が食いついてきますから、インパクトを出すならそこです。
「みんな生きてた頃、なに食べてた?」
手作り食だった犬が、自分の自慢話に誘導するために、まずは質問形式で切り込んできました。
毎日のことなので質問するタイミングは計算ずく、誘導の意図を感じさせないナチュラルな表情も完璧です。
「僕はドッグフードかな、ずーっと。1日2食で15年だから10,900回くらい。すごいでしょ。」
この犬は普通のことをポジティブに言い換えるテクニックに長けています。
ママがね、ドッグフード以外を食べると病気になるって言ってたからね。
だから僕が病気になったとき、ママが「インターネットのばか~!」って叫びだしてさ。笑
なのにまたネットで調べはじめて、メーカーを変えたみたいだけど、結局ドッグフードはドッグフードさ。
「うちもドッグフードだったよ」
「私も~」
「常識でしょ」
そうだ、良いこと思いついた!
次は飼い主に犬をやってもらって、僕たちが飼い主をやるんだ。
人間になって美味しいものをいろいろ食べよう!
ハンバーグでしょ、たこ焼きでしょ、パスタ、カレーライス、あとは餃子にラーメン。
豚骨醤油?あのニオイがたまらなかったなあ。
野菜にはもちろんドレッシングをかけるし、うなぎは山椒、マグロはわさびで、カツオは生姜ときたもんだ。
想像するだけで、わくわくしてくる!
食べたこともないのに、すごい知識量である。
どの犬もしっぽが千切れそうなくらい振っています。
ある犬はムチのよう、こっちの犬はハタキのよう。
うたた寝していた猫たちも、枝葉の間から皿のような目を覗かせています。
耳は、どんな小さな音も拾うパラボラアンテナのよう。
話が盛り上がるなかで、完全にタイミングを逸したのは手作り食の子。
カボチャにしいたけ、さつまいも、ブロッコリー。
ささみ肉、レバー、サバに納豆って、かなり渋すぎるかも。
圧倒的な食品数で自慢しようとしていたのに、すでに話はタピオカのルーツにまで及んでいます。
まあいいさ、また明日話そう。
うちの犬「めんま」はというと、私の理屈臭い話を思い出して、自慢話を控えていました。
「犬も安全に、健康に、それで美味しいものなんて、いくらでもあるよ。人生1回きりかもしれない。制限するために生まれてきたわけじゃないだろ?」
「でもさ世の中には常識ってものがあって、その枠の中でやりくりしているうちもいっぱいあるんだ。めんまの食事は味的にというよりも、常識的にちょっと刺激が強いかもね。」
「人にはあまり言わないけど、うちは体の健康以上に、心の健康を大事にしていくからよろしく。」
心の健康か・・・ほんと理屈くさい飼い主だったな。
でも僕は生まれ変わっても、また犬がいいかな!
※私の空想の天国なので、たいへんよく美化されております。また僕と言ってますけれど、めんまはメスです。
「さあ、また駆けっこしよう!」「猫さんたちも一緒にと言いたいけど、ついてこれないかな?ハハハ」
「なにいってるの、私の親戚のおじさんはチーターだよ、おばさんはバスやってたし。」
うそつきー!
ごめんなさい、うそです!だから乗ろうとしないで。
わははは
空想って楽しいですよね。
もし大人になってからしばらくワクワクしてないなら、ぜひとも空想をおすすめします。
どうせなら、思いっきり楽しく思い描いてみてください。
信じるかどうかは、すべてあなた次第
ということで、以上が私が思いっきり楽しくイメージしている犬猫たちの天国でした。