別の動物病院で、違う治療を提案されたとき

女性の獣医師

別の動物病院を受診してみたら、違う治療を提案されてしまった。

話が違うと、いろいろなことが頭をよぎり、不安になってしまいます。

 

ですが、そういったケースはけして珍しいことではなく、しばしば起こることと言えるかもしれません。

ではどうして動物病院によって提案される治療が異なってしまうのでしょうか?

 

動物病院が自由診療であるため、方針も原則自由

動物病院は自由診療であるために、どのような治療が最適であるかを動物病院が個々に判断します。

基本的な部分からまったく異なるというわけではありませんが、さまざまな点において原則自由だと言えます。

 

この場合はこうしなくてはならない。

この治療ではこの薬を使わなければならない。

 

こういった動物病院を縛りつけるルールは基本的にはありません。

 

かたや人の病院の場合、日本ではほとんどが保険診療です。

基本的には保険が給付される範囲内で治療をすすめるのがルールとなっていて、それを飛び越えるようなことはしません。

それをしてしまうと病院が損をすることもあります。

診療ガイドラインもしっかり整備されていて、全国どこの病院に行ってもだいたい同じような治療提案となるでしょう。

 

そういった日本の医療制度に慣れている私たちは、動物病院によって治療提案が異なることに混乱しやすいのかもしれません。

 

動物病院は全人的な医療である

動物病院は、基本的にはどんな病気でも診てくれます。

「うちは眼科しかやらない」、「循環器の病気しか診ません」

そういった動物病院はあまり聞いたことがなく、実際にほとんどないでしょう。

 

ペットの全身状況をとらえて全体的に治療を考える。

こういった医療は「全人的医療」と呼ばれます。

人でも少し注目されているようですが、動物病院は以前からずっと全人的医療です。

 

たとえば、ペットの目が急に充血して痒そうにしているとき

目だけを診て、目薬を出して、来週また来てください。

そんな動物病院はまずありません。

 

他に赤くなっている部分はないか、毛が薄くなっている部分はないか、全身を見て、全身を触ってチェックします。

動物は喋れませんから、代わりに見つけ出してあげる必要があります。

おなかや肉球にも炎症が見つかるようなとき、単なる目の病気ではないと判断されるかもしれません。

 

対処療法として目薬を出すのか、出さないのか

他の部分は軟膏で対応するのか、全身的に効く内服薬で行くのか

内服薬はステロイド剤でいくのか、いや肝機能値が良くないので抗ヒスタミン剤にしておくか

 

動物病院は犬猫の全体の状況を診て考えて、日常生活や、過去の服薬歴、ときにはメンタルのことや飼い主のライフスタイルまで考慮したうえで総合的に治療方針を決定します。

さらには、飼い主が何を望んでいるのか、この治療方針はトータルで幸せに繋がっているのか、そういったことも重要ですから、選択肢はどんどん増えていきます。

 

こういった動物医療の世界においては、むしろマニュアル通りに対処できないことのほうが多いように思います。

獣医師に任される部分が大きく、獣医師の考え方、スキル、経験などによって、治療優先度が異なったり、出される薬が違うことは十分にありえます。

 

別の病院で、違う治療方針を提案されたとき

動物病院のチワワ

別の病院で違う治療方針を提案されて迷ったとき、いくらインターネットで調べても判断の参考にならないかもしれません。

一番良いのは、「先生の考えをしっかり聞かせてもらうこと」でしょう。

動物病院選びでは、技術ももちろん大切ですけれど、自分と価値観が合っているかということも大切になってきますから、やはり話をすることは大切です。

 

先生の本音の部分まで聞かせてもらうには、良いコミュニケーション環境になるよう日頃から心がけてください。

あまり話をしてくれない先生でも、こちらの話し方を工夫すると変わってくるかもしれません。

 

表情も暗いより明るいほうが、人は話をしてくれやすくなりますよね。

不安なときに不安を丸出しにするよりも、相手に気遣って話すようにしましょう。

 

大切なご愛犬ご愛猫のためです。

話すのがちょっと苦手という方も、頑張って先生の考えをしっかりと聞かせてもらいましょう。

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